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地味子が官能小説を書いたら
第6章 悲しみ深すぎて
講義が終わり教授が出ていくと、教室に残る者、早々と教室を出ていくもの様々だが、私と文剛のグループは残っていた。

私はこれまで生きてきて。他人に殺意を抱いたことなどなかったが、文剛を取り巻いている女の子たち4人に対して初めて1ミリほどの殺意を覚えた。

「ねえ、やっぱり早川君を見てる」美鈴に声をかけられ、私はハッとする。

(ハッ!これは、したり)

「見てない、見てないよ、わたし」

「いや、見てるって」

そうだ、私は文剛の事ばかり見ている。文剛と話したい、ちゃんと謝って、互助関係でも良いからまた、一緒にビデオを観て、小説を評価し合って、


それに、


それに、



できれば、また、キスしたい……

抱きしめてほしい……




「ごめん、わたし余計な事を言ったかな?」

「え?」

「綾瀬さん、酷い顔してるよ」


「どんな顔?」


「今にも泣きだしそう」

そう言われて、またジワリと波が襲ってくる。

「早川君と何があったか知らないけど、わたしたち、まだ二十歳そこらだよ」

「う……うん」

「そんなに思いつめないって」

「うん」

私は余程、不安気な顔をしていたのか、見かねた美鈴がお昼を誘ってくれた。

「ねえ、お昼はいつもどうしてるの?」

「いつもお弁当を持ってきて、多目的ホールで食べてるの」

「そっか、じゃあ、わたしも売店で何か買ってくるから、一緒に食べよう」

「いいの?ほら、いつも一緒にいる子、えーと」

「遥のこと?」

「あ、遥っていうんだ、永井さんだっけ」


永井遥(ながいはるか)、学部はどこだったか覚えてないが、美鈴といつも一緒にいる。

「ハルカも一緒に良いかな?彼女、2限目は空きだったから、何処かで時間潰してると思うんだ」

「彼女も水曜日の合コンに来るんだよ」

そう言うと、美鈴はスマホを操作し、永井と連絡を取っているようだった。


「綾瀬さん、先に行って待ってて、わたし、売店で買い物してハルカと合流してから行くから」

「うん、じゃあ、あとで」


「ねえ、わたしたち、そんなに親しくないけど、気持ちが塞いでるときは誰かと話してるだけでも気分がちがうわよ」

と言って、ニコリと美鈴は笑った。

(なんだか、千佳に雰囲気が似てるな……)

「ありがとう、待ってるね」

私も、口角が緩む。




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