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地味子が官能小説を書いたら
第7章 この夜に乾杯!
「あれ?なにか噛み合ってないよ、花音ちゃん」

「それに、あの日の事、僕が乱暴な事したからなんだし花音ちゃんは悪くないよ」

「ありがとう、そう言ってくれると、少し気が楽になる」

「わたし、初めて男の人に告白したの」と言い、自分の声が震えていることに気づいた。

(まずい、これ以上は、また自爆してしまう)

「だから、文剛君も好きな人に勇気出して告白して」

「で、前にも言ったでしょ、好きでもない子にキスしたり、抱きしめたり……」

(まずい、声が出なくなる)

私は、す~と一呼吸して続けた。

「しちゃ、ダメだよ」

「さよなら」

「ちょっと待って!」文剛の長い手が、逃げ出そうとした私の手を掴む。

(離して、これ以上ここにいたら、また泣き出してしまう)



「カノン!」

その時、美鈴がすごい勢いで階段を降りてきた。

「ちょっ、早川、カノンを離しなさいよ!」

言うが早いか、文剛の頬を張る。

パーン、と乾いた音が、図書館のロビーに鳴り響いた。


「あ、イタ~、ちょ、蜂矢さん、なにするの?」

「早川がカノンに乱暴してたからじゃない、これ以上カノンに付きまとわないで!人を呼ぶわよ」

「それは、謝る、でも、何かおかしいいんだよ」文剛は、頬を擦りながら言った。

「なに言ってるの?」

「わたしが、『文剛君のこと好き』って告白したの」

「カノン……頑張って、勇気出したんだね」

「うん、でも、スッキリしたよ」

「あの……だから、何か噛み合ってないって」

「なに言ってるの?」再び美鈴が同じセリフを繰り返す。

「おかしいいんだよ、だから話を」と文剛がそこまで言いかけたとき。

美鈴がぶるぶると肩をふるわせ、文剛を睨みつけた。

目には涙が溜まっている。

「告白してきた女の子に『おかしい』って何よ、おかしいのはお前の頭だ!」
「今日、わたしたち合コンなの、これから楽しい時間を過ごすんだから、これ以上不快にさせないで」

「カノン、行こう」美鈴が私の手を引っ張って行く。

「ちょ、話を……」

まだ何か言おうとしている文剛を残し、私たちは図書館を出た。

「あれ~、二人とも、ロビーで待ってるんじゃなかったの?」

受講帰りの遥が、呑気に声をかけてきた。

「早川がいたのよ!カノンが嫌がってるのに、手を引っ張って連れて行こうとしてた」




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