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悪魔から愛されて
第15章 嫌な予感

健斗の動画が送られて、どれくらい時間が経ったのだろう…


私は、同じ場所から動けずにいた…
余りのショックからなのか、涙もでない…
感情がストップしてしまった…

息をしているかどうかもわからない…


窓の外の色が変わり始めた…
もうすぐ日の出なのか、少し明るくなって来たようだ…




その時、私の携帯が鳴りだした。



着信は健斗だ。




…怖い…

祈るような気持ちで電話に出た…

「…恵美…俺…こんな時間に…ごめんな。」


「健斗…」


その声は、間違えなく健斗の声だ…
押さえられていた感情が爆発したように
涙が溢れて流れ落ちる…


「俺、何から話して良いか、わからないけど、目が覚めたんだ…」

「…えっ…どういうこと…」

「恵美に、あの女が動画を送っただろ…あの後、目が覚めたんだ…気づいた時、俺はあの女にしゃぶりつかれていて、驚いたよ…」

「…でも、どうして…健斗は薬か何かで眠らされたのじゃ…」

「…うん。…信じて貰えないかもかもしれないけど…夢を見たんだ…」

「…夢…?」

「そう。夢に悪魔が出てきて、俺を殴って起こしたんだ。恵美を悲しませるなって…」

「…悪魔って…」

「…信じないよな…でも…助かったよ。」

「…良かったね…」

「これから、急いで帰るから…」

「でも…3日間が約束でしょ。」

「大丈夫だ。あの女が俺を陥れるために、全部映像を撮ってたんだ。あいつのしたこと全てが映ってる。これを先方の会社に渡してやるよ。」

「気をつけてね…」

「…大丈夫だよ。もうホテルは出て空港に向かっているんだ…」

「…健斗…」

「…ごめんな。こんな思いさせて…」
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