この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
不倫研究サークル
第14章 愛莉
「愛莉、どうして僕が頑張ることが、愛莉の不幸せになるの?」

「圭の、負担になるから」

「負担だなんて、大切な人のために頑張るなんて当たり前の事だよ」

「いや、冷静になって聞いて。 圭もわたしも、まだ学生なの」

いつになく愛莉の目が鋭かった。

「分かってるよ、そんな事」

「どうやって、わたし一人じゃない、子供もいて、 どうやって生活するの?」


「僕は今、家庭教師のバイトに、カテマッチの運営も手伝っていて、新卒サラリーマンくらいは稼いでる。 二人家族が増えても大丈夫だよ」

愛莉は下を向き、何かを考えているようだった。


「家族って……。 ゴメン、やっぱり怖い」

「今は、圭は気持ちが昂っているだけだと思う。 母さんも、これまで何度か男の人から交際を申し込まれたこともあったけど、結局、誰とも付き合わなかった」

愛莉が顔をあげ、僕を見つめる。

「何故だかわかる?」

僕には、愛美母娘がこれまでどんな人生を歩んできたのかは分からない。黙って首を横に振る。

「わたしが、いつか邪魔者になる事を恐れたからなの」

男は、子供を好きになる訳ではない。女性を好きになって、たまたま好きになった女性に子供がいた、要するに子供はオマケというわけだ。

愛美に交際を申し込んできた男も、結局は愛美が必要なだけで、愛莉は、悪い言い方をすれば邪魔者という事になる。

愛美は、そんな男たちの本心を見透かしていたのだろう、そして、愛莉もその考え方を受け継いでいるのだと、愛莉は話してくれた。


「僕は、生まれてくる子を邪魔者だとは思ってないよ」

「うん、圭なら、そう言うと思ってたし、きっと、そうなんだと思う」

「だったら……」

「だから、なおさら怖い」

「圭は、きっと頑張りすぎるから、いつか頑張りすぎて、わたしや子供のことが負担になって、もし……」

愛莉は言葉を詰まらせ、不安な表情を見せた。


「もし……後悔でもされたら……、わたしは、きっと、死ぬほど辛いと思う」



未来のことは、誰にも分からない。今、僕は愛莉のためにできることは何でもすると思っていても、将来、自分の選択を後悔する時が来るかもしれない。


でも……、


僕は、ただ、愛莉と離れたくないだけなのに、どうして上手く彼女を説得できないのだろう?


/200ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ