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新・性生活
第29章 その後の舞子と孝幸と翼
「りんちゃん」

その声には感謝しか出て来ない。

「りんちゃん。ことねぇちゃんって呼んでよ。遊ぼう。いいですか?まいこさん?」

頷くと二人で遊びだす。寿美さんには嫉妬心とかないの?驚かされる。私も私だけど寿美さんの気軽さがすごいな。翼との三角関係もすぐ認めてくれた。

でもキレるってことは我慢してたんだよね。



「つばさ、一緒に遊んであげてよ。りんと遊んであげて。」



そう言うと走り出そうとしてる手を握った。捕まえた腕を引き戻してその唇にキスした。浅くて、短い、すぐ離れてしまう翼のくれてたキス。

「寿美さんも大切にしてね。」

「それは言わないで、まいこ。」

翼に叱られた。笑いながら走って行った。母性愛でお節介を焼いてしまったみたい。でもただ私は翼の唇が欲しかった。もう堪らなく翼に甘えたい。そう思った時には手をつかんでた。

ダメだよね。溺れちゃだめ。醜い愛に溺れちゃダメだよ。あの時の性行為は忘れないと。ただ闇雲にやってた。

ただ翼は絶対あの秘密のバイトを見てる。お腹を擦ったとき思った。ともくんの指先と重なってた。だから無我夢中で感じてた。

我慢しなくていいよ。

脳だけで逝ってる。私は私の声で逝ってしまう。翼にしか聞かせない声で翼だと脳だけで逝ってしまう。いつまでも手放したくない燕に虜になる。



逝っちゃう。うッ、ダメッつばさッアッアッダメッ止まらないのッつばさッ止めてよ!!抱きしめて止めてッ。



そうやって電流が体を走り回る。翼の指先が私に電流を流して止めてくれる。苦しみから解放してくれるだから止められないの。ごめんね。翼をもてあそんで。


つばさ、しよう。


今日だけ、また今日だけ許して下さい神様。


五月女舞子。

脳まで逝かされる男と脳まで逝かせてあげる男。

性生活に溺れる。

終わり。
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