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イキ狂う敏腕社長秘書
第6章 【錯綜していく感情】
「わかった、無理はしないよ、ありがとう美雨」
前髪にキスを落とす不意打ちは未だにドキドキさせられる。
「少しだけ、美雨」とそのまま抱き締めてくる。
「あ………社長、誰か来たら…っ」
「いいよ、見られても」
「ダメです…っ」
「ボーッとするんだ、目覚めさせてよ」
ここで「珈琲をお持ちしますから」なんて言ったらきっと拗ねてしまうんだろうな。
わかってる……何を求めてらっしゃるか。
気付かないフリも拒むフリも今のあなたには通らないのね。
見つめ合った先にどんな展開があるか心が知っている。
「その、会社で下の名前で呼ぶのもちょっと…」
「2人きりなら良いだろう?ちゃんと分けるから」
どんどん聞き分けがなくなって私のテリトリーを侵してくる。
本当は社長のこの顔が一番弱い。
断れないの知ってて更に仕掛けてくるの。
「美雨………また寝ちゃいそう」
私の肩に頭を乗せてきてこっちを見てくる。
完全に弄ばれているんだけどどこか憎めなくて結局私が折れちゃうのだ。
「今したら……更に熱、上がっちゃいますよ?」
牽制したつもりなのに。
「特効薬ちょうだい」ってトロンとした瞳で言ってくる。
堪らなくなって負けたのは私。
勢いよく重ねた唇。
自分から舌を割り入れた。
今あなたを感じたらおかしくなっちゃうのに。
火照らされた身体は言うことを聞かない。
ソファーに押し倒す形で舌を絡ませる。
再び寝かせ脚の間に片脚を入れ唾液を吸って差しあげた。
充分に煽った罰です。
ハッと我に返り離れる。
これの何が特効薬なんだか。
バカみたいに貪っちゃった。
定例会議ナシにしてまでこんな事してるってバレたら間違いなく私は首が飛ぶ。
「あぁ……効いてきた」
伸びをしながら起き上がる社長に早速スケジュールの変更を伝え切り替えの速さを見せつける。
「うん、ありがとう、優秀な秘書で助かるよ」
今、どんな笑顔で言ってるかわかってます?
自分はこの笑顔に惹き込まれたのだと思い出してしまった。
尊敬から愛情に変わるのは時間の問題だった。