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イキ狂う敏腕社長秘書
第10章 【溺れていく本能】





「彼氏に生理きたって言える?ううん、言って」




「…………はい」




「もう私が行くまで抱かせないで」




「…………わかりました」




「生理でも抱くような男じゃないでしょ?」




「…………多分」




「多分?多分じゃ困る、そうなったらそいつ潰しに行くよ?」




「だ、大丈夫です…!ちゃんと断りますから」




親指で唇をなぞる。




「本当に?約束だよ?」




「はい、約束です」




頬に触れてる手に小指を絡ませる指切りげんまん。
はぁ……と溜め息ついて肩に頭が乗ってきた。




あれ…?しくじった…?
こういう時の指切りはナメた行為なのかな!?




「その顔……反則だってば」




「あ…………ごめんなさい」




揺れる瞳での上目遣いも反則ですか?
使ったって良いじゃないですか。
あなたに飽きられたくないから。
使えるモノは小出しで使わせてください。




「帰したくない……美雨」




最後のキスは腰が砕けるかと思った。
私から離れちゃうほど激しくて蕩ける。




「か、帰ります…っ」




後ろ髪を引かれる思いで部屋を飛び出した。
ちゃんと言い付け守りますから明日、ご褒美くださいね。




そそくさと部屋から部屋へ戻る。
身なりの乱れがないかをチェックし布団に入る。




「ん………遅かったね」




一ノ瀬さんの声がして身体が跳ねる。




「あ……ごめん、起こして」




「ううん……大丈夫、温泉気持ち良かった?」




「うん……」




2つくっついて敷かれた布団だが別々に入るのは怪しまれるかなと同じ布団に入ったけどもう後悔している。
マコさんの匂い……気付かれないかな?
甘くて欲情したりしないだろうか。




寝ぼけたフリして腕が回ってきた。




「あ、あのさ…!温泉入った後でわかったんだけど、トイレ行ったら…生理なってた」




苦し紛れの言い訳、通用するかな。
目をパチクリ開けた一ノ瀬さんは顔を上げた。




「え、大丈夫?温泉入った後で良かったね?お腹痛くない?明日も無理しないで?動くの辛かったら出歩かなくても別に俺は構わないよ?そうだな、ドライブとかでも良いよね」




良かった、信じてる。












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