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イキ狂う敏腕社長秘書
第11章 【静かに狂い咲くように】
「モデルさんかと思いました」
「いえ、私、157cmなんで無理かな」
「すみません、私ずっと真田さんが社長の奥様かと思ってました」
「そうですね、奥様より一緒に行動を共にしているから勘違いされてもおかしくないです、そこは毎回きっぱりと否定させて頂いてるんだけど…」
「社長って普段どんな感じですか?怒ったりします?何かダンディ過ぎて想像つかない」
「うーん、見た感じそのままなのかも……仕事は厳しいです、頭下がります、速いし的確だし目標はきっちり掲げる人なんでついていくのに精一杯です」
「そんな感じ全然しないですよ、真田さんは。いつでも社長の隣でフォローなさってて凛としてて本当私たちの目の保養なんです〜」
ピッチ早いな、この子たち。
楽しそうに話してくれてこっちも嬉しくてついつい話してしまうな。
そんなに褒められる人間では決してないんだけれど。
五十嵐くんの短髪から伸びていく課程の写真を皆で見て笑い合う。
アフロになるまでだいたい4ヶ月だそう。
美味しいお酒も進んでほろ酔い気分になってた頃。
「あれ?ここも飲み会?」と男性2人が私たちの席へやって来た。
「わ、永田課長に魚住くん!そうです、飲み会です!真田さんも居ますよ!」
あちゃ〜言わなくてもバッチリ目は合ってたけどね。
課長には飲み会のこと言ってなかった。
言うつもりもなかったけどまさか一緒の席になるとは。
「お疲れさまです」と立ち上がり頭を下げる。
「わ、真田さんも居るなんて!一緒に良いですか!?」なんて魚住さんて方が仰ってますよ。
後輩連れて飲みに来るなんて偶然ですか?
面倒見の良い上司なんですね。
急遽2人が加わり新たに乾杯することになった。
私の前の席に2人が座る。
「あの、僕、営業課の魚住です、永田課長の下で頑張ってる若手ホープです」
「自分で若手とか言うな」
すかさずツッコミを入れている課長も新鮮だ。
なってしまった状況は変えられないし乗り切るしかないのだろう。
「社長秘書しています、真田美雨です」
「うわ〜近くで見ると本当お綺麗でびっくりです」
「おい、軽いぞ。だから営業課はって言われるんだ」