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BeLoved.
第24章 【彼が一番食べたかったもの】
辿り着いたのは彼の部屋。無駄な物がない殺風景な室内は、大きな窓にかかるレースカーテン越しに射し込む光で満たされていた。
ドアが閉められ鍵が掛けられた直後。肩を抱かれベッドに押し倒された。視界の先に広がるのは天井。でもそれもすぐに遮られた。覆い被さってきた彼によって。
「…!…ん」
唇が重ねられる。あたたかくて…柔らかくて。酔いしれる間もなくそれはすぐに離れ、顎の線を啄みながら耳元へと登っていく。
その度に体を強張らせ胸の鼓動を早めつつも、わたしは抵抗を試みていた。だって…
「…わたしも…っ、シャワー…」
彼は綺麗だけど、わたしは違う。朝から動いていたから汗だってかいているし…それにその…穢れてもいる。
「いいよ。いらない」
「…でも…っ」
「俺がいいんだからいいの」
まただ。優しいけれど力強いその声は、わたしに抗うのを諦めさせるには十分だった。
紐解かれたエプロンはするりと外されて…その下に着ていたトレーナーもたくし上げられてしまう。姿を表す二つの膨らみ。過ったのは羞恥心よりも後悔だった。…こんなことならもっと可愛いブラにすればよかった。
でもそれはじきに消える筈だ。こんなものきっとすぐ取り払われてしまうだろうから。そう…『彼』がするように。…けれど。
「…かわいい」
小さな呟きと布地の上からそっと落とされたキス。そして…
「噛んでいい?」
柔い力で立てられた歯。たったそれだけで、悟るように感じ取れた。
同じ『男』でも…『彼』と 彼 は、違う。
同じ『男』でも…抱き方は違うんだって。