この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
BeLoved.
第25章 【それが彼らだ】
【おまけ】
3人で街を歩くとやたら視線を感じる。
それは彼らが高身長で人混みでも目立つからだろうけど…やっぱり、整った外見だからだと思う。
悪い気はしない。…なんて言ったらおこがましいよね…きっと。
─────
「未結、おいで」
外での3人行動の時、基本的にわたしはその日のご主人様と手を繋ぐ。今日は麗さまだ。はぐれないように優しい力で握られた右手。そこから伝わるぬくもりに口元を綻ばせながら、なにげなく後ろを振り向いた瞬間だった。
「れ、麗さま!流星さまがいません!」
「えっ?」
そこに居るはずの方の姿が忽然と消えていた。
何処へ行ったのか。いつはぐれたのか。
慌てふためくわたしをなだめながら、麗さまは徐に周りをキョロキョロと見渡した。
そしてわたしの頭にぽん、と手を置くと「見て」と左斜め前を指差す。
その先には、四方を透明な板で囲われた喫煙所。その中に流星さまはいた。紫煙をまとわりつかせて。ああ、一服したかったのね…。
「だいたい煙草吸える所に居るから」
大丈夫だよ、と麗さまは教えてくれた。
「……」
彼と彼は幼馴染み。
それこそ、四半世紀からの付き合い。
行動パターンは熟知しているのね…
「て言うか、デカいからすぐ見つかるよ」
「そ…っ、そうですね!」
やがて、満足したらしい流星さまが喫煙所から出て来られた。そして外で待機していたわたしたちを見付けると、飄々とした口調で一言。
「お前らどこ行ってたの?」
自分からいなくなっておいてこの言い草…
な…なんてマイペースな人なの…
「あー何?もしかして探してた?大丈夫だって。俺と未結愛し合ってるから必ず繋がるし」
「携帯あるから大丈夫って言いてぇのね」
自分の世界で生きる流星さまは、たまに今みたくよく分からない言動をする。そしてそれを理解し噛み砕いてくれる麗さまは、まるで取り扱い説明書みたい。
…なんて言ったらご機嫌損ねちゃうかな…。
「未結が不安がるだろ。断ってけボンクラ」
「お前いりゃ大丈夫だろーヘタ麗」
小さくため息をこぼすわたしの頭上で交わされる会話。偶然か否か、彼らが同時に口にした『彼ららしい』言葉はわたしの息を止めるには十分だった。
「俺はお前居なくて良いけどね」