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BeLoved.
第25章 【それが彼らだ】
わたしより7年長く生きている分、彼らはわたしより多くの経験を積んできている。
社会人としてのものも、恋愛に於いても。
彼らと恋愛していたのってどんな人だったんだろう。
…どんな人を抱いてたんだろう。
「未結ー」
何となく、胸がきつくなるのを感じた瞬間。
歩みが止まり、間延びした声が耳に届いた。
流星さまだ。
「ゴム選んで。おまえどれが好きなんだっけ?」
「ボンクラ声でけぇよ。…で未結、どれ?」
「そそそ揃ってそんなこと聞かないでくださいっ!!」
…そう。足が止まったのは避妊具の売り場。色とりどりの小箱が並ぶ商品棚を前にごく普通に尋ねられ、赤面してしまう。すぐ側には品出しをしている店員さんもいるのに。…恥ずかしすぎる!
「は?なんでだよ。体感すんのおまえじゃん」
「教えてくれる?痛い思いさせたくないもん」
「……」
取り乱しているのはわたしだけ。
彼らはもう、至って通常通りだ。
怖いのか、優しいのか。
天然なのか、違うのか。
冗談なのか本気なのか。
わからない、読めない。
でも、わたしを好いてくれて
最後には必ず気遣ってくれる。
少々ズレている所もあるけど…
そう。それも含めてそれが彼らなんだ。
何となく気持ちが晴れていくのがわかった。