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BeLoved.
第27章 【カレハミエルヒト。】
「…帰るよ」
手は離され、車は走り出す。おうちまであと少しだからか、このまま麗さまが運転してくれるみたい。
『憑かれた』と言っていた流星さまもすっかり平常通り(?)のよう。ルームミラー越しに伺うと、頬杖をついてぼんやりと外を眺めている。街灯に照らされるその表情。自分の世界に入っているときのものだ。
…あの顔、可愛いんだ。思わず目を細めた。
その時、恐らく無意識に漏らされただろう彼の独り言が聞こえた。
麗さまには聞こえなかったのか、無反応。わたしも返事をしなかった。
その言葉の真意も、深さも。知ることになるのは、まだまだ先の話だ。
「一番みたいもんはいつもみえねーんだよな…」