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BeLoved.
第33章 【食べたのだあれ。1】
「恥ずかしいからあんまり見ないで、未結」
「………」
その夜は、ある意味忘れられない夜となった。
────────
「未結は口でしたことある?」
そう。全てはこの言葉から始まったんだ。
今夜のご主人様は麗さま。一緒での入浴を終えてからやって来た、彼の部屋。彼のベッド。縁に腰掛けた膝上に向かい合う格好で乗せられ、何度かキスを交わした後。下唇をゆっくりとなぞられながら唐突な問いが投げ掛けられた。
口で?何を???
質問の意味すらわからずキョトンとするわたしに、麗さまは予想通りと言わんばかりに苦笑しながら、そっと耳元で教えてくれた。
「……をね、口で……するの」
「!」
一気に顔中を真っ赤にさせてしまったけど…「知らない?」の問いにはさすがに首を横に振った。
聞いたことはある。高校生の頃、女子高だったということもあってかそういう話はよく飛び交っていたから。まぁ、わたしは専ら聞き役だったんだけど…。とにかく、わたし自身は未経験。ここで暮らすようになってからも、それは変わらなかった。
「し、したことは…ない、です…」
たどたどしい返答に、麗さまは一瞬驚いた表情を浮かべる。でもそれはすぐに艶めいたものへと変化した。有無を言わさぬ言葉と共に。
「ちょうだい?未結のはじめて」
───────────
さて、彼はベッド縁に腰掛けたまま。わたしは床の上、彼の足の間にぺたりと腰を下ろした。
目の前には…寛げられた寝間着から現れた、彼のそれ。こ、これを口でどうこうするの…?本当に??というか…こんな形なんだ。
今まで何度も触れて、受け入れてもいるけれど…考えてみればこんな間近で、こんなまじまじと見るのは初めてだった。
「恥ずかしいからあんまり見ないで、未結」
「ぁ…ごめんなさい」
頭上から降ってきた苦笑混じりのお咎めの声。「触って」と取られた手は彼に宛がわれる。勃ち始めてはいるもののまだ柔らかさが残っているのが、掌から伝わってきた。
「…できる?」