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BeLoved.
第33章 【食べたのだあれ。1】
「や…やってみます…!」
とは言ったものの…かなり勇気がいります…!さっきも思ったけど、確かにわたしはこれに何度も触れて、受け入れている。いるけれども。いざ「口にする」となるとやっぱり違うと言うか…ああどうしよう。心臓の鼓動が痛いくらい響き、緊張で全身が固くなる。
したくないわけじゃない。覚悟が決まらない。反り立った彼に手を添え凝視したまま、硬直してしまった。
優しい彼のこと、普段ならそんな様子を見せれば『無理ならいいよ』と言ってくれる。
でも、今はそれがない。それだけ彼は『欲している』のだ。わたしの『はじめて』を。
「……」
報いらなくちゃ。よくよく考えれば…いや考えなくてもわたしは彼に同じ事をさせてるじゃない。いつも。…よし、決心はついた。…あああ、でも!ううん、しっかりしろ、わたし!
脳内で押し問答した挙げ句、なんとか気持ちを奮い立たせ。小さく息を吸い込み意を決してそれを口に含んだ。
「…っん!」
瞬時に漏らされた声と、彼の両足に籠った力。痛かった?いけない。優しく…丁寧にしなきゃ。彼はいつもそうしてくれるんだから。
…それにしても。
わたし、今、男の人のを『口にしてる』。
まさかこんな日が来るなんて想像もしてなかった。いや、いつかは来るんだろうなとは思ってたけど…それにしても…唇で触れた感じは思った以上に柔らかい。
「未結…大丈夫?」
「…!」
ここまできてもなお、硬直したままのわたしに掛けられたのは、興奮を圧し殺した声。
「大丈夫そうなら…舐めてみて?」
「……」
それは気遣いという名のご命令。拒否権はない。
…舐める…えぇと……文字通り、だよね…
ある意味での『侵入者』に怯え、縮こまっていたわたしの舌。おずおずとそれに触れさせた。
…。思ったより…しっとりしてる。 肌の一部なんだから当たり前かぁ……こんな感じでいいのかな。
彼の先端に舌の表面を当て、おっかなびっくり上下に動かしてみる。意外だったのが、味がないこと。湯上がりだから?
どうかな。嫌な感じ、しないかな。不安と動揺で満たされる心。口にしたまま上目で見上げてみた。
「、気持ちいいよ」
視線の先には繭に包まれたような表情と、吐息混じりの声。それらはわたしの気持ちを一瞬で逆転させた。
もっと気持ちよくなってほしい。もっとよくしてあげたい、と。