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BeLoved.
第34章 【食べたのだあれ。2】
果ててから。呼吸を整えているあいだも、彼は片手で覆った顔を背けたままだった。それを見て徐々に冷静さを取り戻していたわたしは…本当に今更ながら、不安に駆られ始めていた。
どうしよう、強引すぎたんだ。彼は初めてで、怖がっていたのに。
『おしおき』なんて馬鹿な真似して。
口に出してはいないとはいえ、あまつさえ…『わたしのもの』なんて、ありえない思いまで抱くなんて。どうかしてたとしか思えない。
怒らせたかな。嫌われたかな。まとわりつく白濁もそのままに、恐る恐る声をかけてみた。
「…どう…でしたか…?」
「…よくわかんねーよ。…でも」
彼はこちらを向いてはくれなかったけれど、小さな声で答えてくれた。「嬉しかった」と。
「色々参ったけど色々伝わってきた…から」
「…ごめんなさいっ」
「うわ、エロ…」
やっとこちらを向いた彼は、苦笑するわたしの顔を見て予想通りの反応を見せてくれた。
なんてわかりやすいんだろう。可愛いな…
あれ…やっぱりわたし、まだおかしいや…。
───────
「未結おまえ、麗にはよくすんの?」
さて、闇を抜けて。わたしたちは浴室に移動した。暖かいシャワーを全身に浴び汗と汚れを落としていると、ふいに質問が飛んできた。『彼』には今回みたく、口で奉仕することはよくあるのかと。
「えっと…この間初めて…」
「へー。でもその割にゃ」
「でもわたしその時、噛んじゃって…」
「ッか、噛んだ?!」
つい口を滑らせてしまった。返ってきたのはもう何度めかの驚嘆の声。そして一気に蒼白した彼の顔面。
一言だけ呟くと彼はまた口を閉ざし、両手で乱暴に顔を擦った。わたしを視界から遮る様に。
「…俺、しばらく麗に優しくするわ…」