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BeLoved.
第34章 【食べたのだあれ。2】
「──ぅ…わっ!」
邪魔な避妊具を取り払い、先端に軽く口付ける。たったそれだけなのに、彼の下肢は強張り驚嘆の声は漏れた。
ここは彼の言う通り、急所中の急所。大切に大切に扱わなくちゃ。愛おしむように両手を添え優しく包み込んだ。そして思考を巡らせる。
──いきなり口に含んだりしたらきっともっと驚かせ…ううん、怖がらせてしまう。だから。
「…、は…っ」
裏の、筋。避妊具独特の残り香には目を瞑り、唾液をまとわせた舌の表面をピタリと密着させ、つつ…と遡らせた。根元だけをやわく扱きながら、舌で愛撫する。
それを繰り返していくうちに…不可抗力で、彼のそれは固さを増していった。彼は宇宙人なんかじゃない、普通の人間の男なんだから。
──そろそろいいかな。
不思議。察しの悪いはずのわたしが、今は全てわかる。
「…入れちゃいますね、お口に」
「え?!嘘だろ?!未結待…え?!」
先端を一度啄んだ直後、制止の声を押し切って、わたしは彼の先端を口に含んだ。
「──うゎ…っ!何だこれ……?!」
手とも秘部とも違う感触に包まれたせいか。彼は今迄で一番大きく…驚嘆とも困惑ともとれる声を響かせたが、それを最後に無言になった。
音は立てても歯は立てぬように注意を払いながら。唾液と彼から滲む先走りの蜜を絡めあわせ、頭を前後に動かした。そして上目遣いに様子を伺う。
彼は口元を押さえて顔を背けていた。こわい?気持ちいい?漏れそうな声を殺してる?
わたしの知らないわたしが囁く。
だめ。隠さないで。全部見せて。聞かせて。
──あなたはわたしのものなんだから──
「!それ…、!…未結…!」
彼の大好きな『先端ぐりぐり』。先端の窪みに押し入るように、舌先で円を描くように刺激しながら。同時に根元も扱き続けた。さっきよりも少し力を込めて。
「未結、っあ、ゃ…マジでやば…っ、て…!」
下肢が違う強張り方をした。限界が近いんだ。
──わかる。彼は『彼』よりもっと、目に見える形で受けとめてあげた方が歓ぶ。それこそ独占欲を満たしてあげるように、彼の眼前で…『わたし』で。
「っ、ぁ……──!」
「…!」
脈打ちは合図。
わたしが彼を解放するとほぼ同時に、彼も快楽と欲望の果てを解放してくれた。
わたしの顔中に、暖かい白濁を迸らせながら。