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BeLoved.
第35章 【hey my friend.】
4.
「──紫ちゃん、いい子だね」
「え…っ?」
長い沈黙の末帰り着いたマンションの駐車場。
定位置に停められ、エンジンも切られて静かになった車内。おもむろに彼から発せられたのは…紫への賛辞だった。
あんなことがあったのに?他人になんて興味無さそうな、この人が。
「……。そう、ですかっ?大騒ぎして、失礼なことばっかり言って。恥ずかしかったです」
シートベルトを外しながらそっぽを向いた。
「…珍しいね、未結がそんな言い方するなんて。喧嘩でもしたの?」
確かに、刺のある言い方だったと思う。…でも押さえきれなかったんだ。胸に居座り広がり続ける、このモヤモヤした気持ちは。
顔を背けたのも、むくれたのを見られたくないから。
背後から伸びてきた手は、わたしの頭を優しく撫でた。普段なら大好きで嬉しいはずの行為も、今は違う。
この手が紫を抱きしめた。それを思うと、胸のモヤモヤはどうしようもなく増していく。
「──だって!麗さま紫にばっかり…」
そこまで口走ってハッとした。
モヤモヤの正体は…なんてことない、単なるやきもちだったんだ。
「──紫ちゃん、いい子だね」
「え…っ?」
長い沈黙の末帰り着いたマンションの駐車場。
定位置に停められ、エンジンも切られて静かになった車内。おもむろに彼から発せられたのは…紫への賛辞だった。
あんなことがあったのに?他人になんて興味無さそうな、この人が。
「……。そう、ですかっ?大騒ぎして、失礼なことばっかり言って。恥ずかしかったです」
シートベルトを外しながらそっぽを向いた。
「…珍しいね、未結がそんな言い方するなんて。喧嘩でもしたの?」
確かに、刺のある言い方だったと思う。…でも押さえきれなかったんだ。胸に居座り広がり続ける、このモヤモヤした気持ちは。
顔を背けたのも、むくれたのを見られたくないから。
背後から伸びてきた手は、わたしの頭を優しく撫でた。普段なら大好きで嬉しいはずの行為も、今は違う。
この手が紫を抱きしめた。それを思うと、胸のモヤモヤはどうしようもなく増していく。
「──だって!麗さま紫にばっかり…」
そこまで口走ってハッとした。
モヤモヤの正体は…なんてことない、単なるやきもちだったんだ。