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BeLoved.
第4章 【3LDK】

「ごめんね、適当に揃えちゃったから。不満や要望が有ったら言ってね」
「そ、そ、そ…っ、そんな、滅相もない…っ」

この部屋のもの、どれをとっても、今の持ち物とは比べ物にならない立派なものだ。
要望、ましてや不満なんてあるはずがない。
それに、今まで見てきたものに比べたらこぢんまりとしたこの部屋の雰囲気は、正直ありがたかった。


「業者は今週末に手配するから。荷物まとめておいてもらっていいかな」
「は、はいっ…。わかりました…」

わたしの部屋となるそこを後にした矢先にそう言われ、急に実感がこみ上げてきた。
ああ、いよいよあのアパートともお別れなんだ…。

「どうしたの」
「え…?あ…」

いつの間にか麗さまがわたしの目線まで屈んでくれていた。
心配してくれているのが伝わってくる。

「悲しい顔してる」
「……」

いくらこんなに素敵な住まいが用意されていたとしても。
大好きな人たちの元で、家政婦として居られるとしても。
淋しくないわけがない。でも。

「なんでも…ありません…っ」
「……」

あの場所が無くなっても、
おばあちゃんと過ごした思い出はずっとわたしの宝物だ。

わたしは顔を上げ、笑顔を見せた。
目の前のご主人様を安心させるための笑顔を。

「…未結、そ」
「おい麗!」

麗さまが何か言いかけたタイミングで玄関ドアが開き、顔を覗かせた流星さまが大声でこちらに向かって呼びかけた。

「駐車場内禁煙てマジか?!聞いてねーぞ!」
「…流星うるせぇ!今時当たり前だろボンクラ!」
「ったく使えねーな!そこの喫煙所まで行ったわ」

わたしの頭の上でやいのやいの言い合うご主人様たちを見上げ、思わず笑みを零してしまった。


これからわたしは、ここで生きていく。

都内M区、R地区。8階建てマンションの最上階。

これからここが、わたしの『おうち』だ。
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