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第37章 【暴走の果て】

怖がらせ、傷つけた。だから、ごめんなさい。
熱に浮かされている時にも伝えたは伝えたけれど
『伝わって』はいないだろうから。もう一度、改めて。
それが、彼らの思うところだった。

「一番悪いのはテメーだろ、ボンクラ」
「、とどめ刺したのはお前だろヘタ麗」

麗さまが流星さまの頭をぺしりと叩く。
叩かれた流星さまは仏頂面で言い返す。

なんだか、その光景が無性に懐かしくて。
急に目頭が熱くなるのを感じた。

話したいこと聞きたいこと。
たくさんあったはずなのに。

何ひとつ口から出てこない。
代わりに溢れ出たのは、涙。


「…わたし…」

怖い人たちだってわかっている。──そして
わたし自身がどんなに汚いかも。…でも今は。


「ただいま…っ、かえり、ましたぁ…っ」
「──おかえり、未結」


『帰ってきた』その喜びに
ただ酔いしれていたかった。

話したいこと聞きたいこと。
たくさんあったはずなのに。

『帰ってきた』もう、それでいい。
それだけでいいんだ。

そう─……だって、この人たちは

わたしを───…ワタシダケヲ

アイシテクレルカラ──