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BeLoved.
第40章 【『彼』の居ぬ間に。】
「ああ……っ」
力が抜け、前のめりに倒れ込んだ先。縋りついたのは真新しいシーツ。
真っ更なそこに、わたしと彼の香りが刻み込まれていくんだ。これから幾度も幾度も、今みたいに体を重ねあって、少しずつ──そう考えただけで、奥の奥は疼いた。
「──なに、未結。どした?」
「!…っ、」
自分を包み込む感覚の変化をいち早く察した彼は、不思議そうに尋ねてきた。
だけど攻め立てる動きは止まらない。むしろ新しく芽生えた疼きに触れられることになり、より快感が増してしまって…『そこ』は反射的に彼を締め付けていたらしい…
「──あー…おまえココ好きなんだっけ」
それは彼の加虐心に火をつけた。
「!りゅ…っ、やぁっ、…やあぁっ!」
上半身は、シーツに倒れ込んで。
下半身は、彼に向け突き出して。
恥ずかしくて堪らないのに、腰は両側から押さえられて逃げられない。…そんな格好で肌の音を打ち鳴らしながら、彼はわたしを貫く。
そうすることでわたしが乱れ…より自分に溺れていくと知っているから。
「あ…っ、ふぅ…っ…んんっ!」
──世界で彼らしか触れられず、彼らしか届かない深部。何度も何度も突き立てられて…そこに辿り着くまでに内襞を擦られる度に、蜜と快感がいやらしく、止めどなく溢れ出していく。恥ずかしくて…気持ちよくて。
「やっ…、やらぁ…っ、ねが…っ、やめ…」
「…無理。やめらんねーよ」
だからこそ溺れるのが怖くて。どんなにいやいやをしても、哀願しても。彼は止まらない。…だって彼は──『溺れたい』んだから。
「め…っ、…らめぇっ……こわれらぅう…っ」
だめ、壊れちゃう。そう伝えたいのに呂律が回らない。──そもそも伝わったところで彼は止まる気なんて更々ない。だって彼は、壊したいのだし──『壊れたい』んだから。
……なに考えてるの……わたし……
「…出すよ」
「あ……」
絞り出すような呟きのあと、一際深く腰を打ち付けた彼は。欲の全てを吐き出したのだった。