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BeLoved.
第40章 【『彼』の居ぬ間に。】
「…悪りー、未結」
小さな痙攣がおさまった頃。仄かに汗ばんだ温もりが背中に拡がった。覆い被さられたんだ。
そして、耳元でのばつの悪そうな呟き。
「早かったろ」
彼曰く、約十日ぶりの…その…セックスは。とてつもなく気持ちがよくて、幸せで。とても衝動を抑えられなかったそうだ…
「忙しすぎてオナニーする暇もなくてさー」
「お…っ…、〰〰️もぅっ!」
相変わらずの素直すぎる物言いと、肌をくすぐる髪のくすぐったさに、思わず笑ってしまう。
激しさが嘘みたいな、まったりとした時間。
心地いい。いつまでもこうしていたいな…
──と思ったのもつかの間。
「ま、今度は大丈夫だから」
「ぇっ??」
自由になった身体は仰向けにされて。──ふと見れば、彼は外した避妊具の口をきつく結び捨てていて……新たに取り出したものを装着していた。
果てたはずなのに萎えていない、彼のそれに。
「りゅ…っ?」
「2回戦」
──そしてこの宣言。今度はこっちから、の言葉と共に。両足首を掴まれて大きく開かされ。
「ちょ…、ゃ、待…っ」
「だから無理だって。考えてみ?十日ぶりよ」
たった一回で鎮まるわけがない。再び瞳に熱を灯らせた彼は、その欲情をそのままわたしにぶつけたのだった。
──────
「あ…っ!…っぁ、んんっ…」
「…未結、聞いて」
とろけそうなくらいに熱く濡れて。
柔らかいのに、狭くて、キツくて。
より深く繋がろうとする自分を拒む。
そこを抉じ開けていくのが堪らない。
わたしが自分で喘ぎ鳴き叫び
満たされていくのが堪らない。
自分も、身体だけでなくて心の底まで
わたしで満たされていくのが堪らない。
やめられるわけがない。
とめられるわけもない。
彼は身体だけじゃなく言葉でも伝えてくれた。
自分がどれ程わたしに夢中で、溺れているか。
──彼は嘘をつかない。違う、つけない。
快楽に浸りきっていてもそれは変わらない。…ううん、むしろ『今』だからこそ、正真正銘の本心なのだ。──わたしには、わかる。
「愛してる、未結」
最後の言葉を表すように繋がれた両手と、
重ねられた唇。
力強くて激しいのに、優しくて…真っ直ぐで。
「……」
二人を包む真っ更なシーツ。そこに、わたしと彼の香りよりも先に。一筋の涙が、染み込んでいった。