この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
BeLoved.
第41章 【密室の獣】

いつぶりかな。

視界が彼で覆われる『この位置』から
彼を見上げるのは。

「未結」

二人きり、肌を重ね合わせる時だけの
艶を纏った声で、名前を呼ばれるのは。

「れ…、っあ!」
「…っ」

指先で軽く触れただけ。慣らされていない『そこ』に
彼は入り込んだ。…かすかな痛みを、刻みつけながら。
──それは、より鮮烈に自分の感覚を知らしめるため。

「たくさん愛されたね」
「あ…」
「流星のかたちになってる」

─そして、わたしに残された『彼』の全てを消すため。

繊細な長い睫毛に縁取られた、彼の赤墨色の瞳。
その『色』が、僅かに。しかし確実に変わった。
…ううん、違う。きっと『戻った』のが正しい。


…いつぶりかな。

計り知れない独占欲と強引さを併せ持つ
『本当の彼』と、こうして対峙したのは。

なのに、以前ならあったはずの焦りも恐怖もないのは
何故なんだろう…?…そう、あるのはむしろ…

──だめ。『それ』を認めては、だめだ。

頭の中で何かが叫んだ。そしてわたしはそれに従った。


「大好きだよ、未結」

彼の瞳がわたしを見下ろす。

それは『彼』と同じまっすぐな眼差し。
わたしを射抜き、囚えるもの。

頭の中で叫んだ何かはきっと、理性。

…驚いた。
この期に及んでもまだ、そんなものが残っていたんだ。

かくして解放されたがっていた『本当のわたし』は
胸の奥深くで、わたしの意思で、押し殺された。

────────

「あっ……んうぅっ…」

慣らされていなくても、『慣らされた身体』は。
ご主人さまを受け入れたが最後。喜悦に満ち、頑なさを失い、柔らかくしなり、あたたかい蜜を滴らせた。

とろけていく。
もっともっと深くまで入ってきて欲しい。満たされたい。
満たされて欲しい──わたしの、雌が疼く。


「…前より感じやすくなったね」

そんなわたしの全ては今、『彼』にどれだけ愛されたのかを如実に物語るもの。そしてそれは彼の──麗の、雄を煽る。

「…て…待って…! 麗…っ」
「覚悟して、未結ちゃん」

重ねられたその唇は。わたしと…わたしに残る『彼』。それら全てを喰らい尽くすと告げているようだった。
/404ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ