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BeLoved.
第42章 【紳士なんかじゃない】
「んー…寒むぅ…っ」
ある日の早朝。まだ薄暗いリビングダイニングのなか、両手を擦り合わせながら漏らした呟きには白い吐息が混じった。
今年は暖冬の予測がでているものの、さすがに11月も後半を迎えるとめっきり寒さが増してきた。布団から抜け出すのにも掛け声がいるし、朝晩は家の中でも一枚余計に着込まないとつらい。
ご主人さまたちが起きてくる前に暖めておかないと。エアコンのスイッチをいれる(タイマーにしておけばいいんだろうけどいつも失念してしまう…)。送風口の真下に陣取り、暖かい風を浴びながらふと閃いた。
「こたつ、欲しいな…」
─────────────
「別にいいけど」
彼らは快諾してくれた──のが、昨日の話。ネットで購入したものがもう届いた!さすが密林さん。うきうきで梱包を解き、鼻唄混じりに組み立てていく。…完成!
「…ふふっ」
目の前には、念願のこたつ。
ダークブラウンの掛け布団の上に、ライトグレーのテーブル。うんうん、いい!リビンに馴染んでる!
スイッチを入れ、早速あたってみる。最初は底冷えしていたけど、だんだんほかほかと暖かくなってきた。…しあわせ。
冬はこたつにみかんが定番だったな。おばあちゃんが毎年用意してくれていたから。懐かしい思い出が蘇った。
3人であたって、お鍋囲むのもいいな。チーズフォンデュもやってみたい♪楽しい思い出、たくさん作ろう!
『今夜は早めに帰ってきてくださいね(*^▽^*)』
上がりっぱなしの気持ちの勢いのまま、ご主人さまたちにそんなメールを送りつけたりして。
今夜のお夕飯はもちろんお鍋しよう♪
早速買い物へと出掛けたのだった。