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BeLoved.
第9章 【Master Bedroom. 1 】
…綺麗な体だと思った。目元を覆った指の隙間から見えたのは、広い肩幅。長い手足。全体的に無駄な肉が無く、腹筋も六つに割れている(それより下は見れなかった…)。
それは彼が長年続けている、水泳によって培われたもの。
本人曰く子供の頃はとにかく病弱で(今からはとても想像つかないけど)、喘息も患っていた。その対策としてやらされた…とのことだったけど。
続けているうちに楽しくなって、やめられなくなったと聞いた。健康維持も大事な仕事である彼にとっては一石二鳥だし、ストレス発散にもなっているようで。週に2日か3日は『泳いで帰る』という連絡が入るほどだ。
…なんて、思っていたら。
「あったけーよな、未結は」
「…あ」
正面から抱きすくめられていた。
彼は186㎝。わたしは156㎝。30㎝の身長差は、わたしをすっぽり胸のなかに収めてしまう。
そのままゆっくり押し倒され、わたしの体は再びシーツに沈み込んだ。
前合わせの寝間着のボタンがひとつずつ外されていく。先に脱がせてしまった手前、もう抗うことはできない。心臓の鼓動を耳の奥で響かせながら、身を委ねた。
「…これって、寝る時も付けんの? 」
煩わしそうに言われたのは…ブラ。真っ白でフリルがふんだんにあしらわれたデザインの、お気に入り。初めての夜になるわけだから、少しでも可愛く見せたくて選んだんだけど…。
「邪魔」
「……」
…彼には関係ない。彼が用があるのはその下だから。ブラは指をかけられ、あっさりずり上げられしまった。飛び出したのはふたつの膨らみ。中心の突起は、立ち上がり始めている。
硬い指がそれを優しく摘まむ。瞬間、まるで電気が走ったような感覚がそこから身体中を伝った。
「舐めていい?」
わたしの返事より早く、そこに濡れた舌が宛がわれた。味わうように表面で転がされ、時折歯も立てられる。
「…ぁ…ん…っ」
右に飽きたら左、左に飽きたらまた右に…と。交互にねぶられる度に、ぴくん、ぴくん、と腰が跳ねてしまう。
「脱がすよ」
「……ぁ」
長い腕が寝間着の下衣に伸び、ショーツと共に一気に引き下げられ、取り払われてしまった。
ショーツもブラとお揃いの、可愛いものだったんだけど…彼の目に留まることはなかったようだ。なぜなら。
「すげー綺麗、未結」
彼の興味は専ら『わたしそのもの』だから。