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BeLoved.
第11章 【君しかいらない】
「うわあ、懐かしい……」
のどかな休日の昼下がり。おうちのお仕事が一段落したわたしは、自室の整理に勤しんでいた。
目の前には、引っ越しの荷物を詰め込んだままになっていた段ボールが3つ。
大きい物ではないけど、そろそろ片付けないと。
中身を改めていたところ出てきたのは…高校の卒業アルバムだった。こんな所に入ってたんだ。驚きと共にページをパラパラとめくる。
女子高だったから当たり前だけど…どこもかしこも女の子だらけ。みんな溌剌とした表情で、本当に輝いているみたい。
…ご主人様たちに見せたくないな…
ふとそう思ってしまった。
それは多分、不安から。
だって…可愛い子ばっかりだから。
──────────
「しかしどいつもこいつもブスばっかだな」
「っり、流星さま…」
「俺には皆同じ顔に見える」
「麗さまも……」
わたしを呼びに来た流星さまに見つかり、アルバムは取り上げられてしまった。
リビングに運ばれたそれはローテーブルの上に広げられ、すぐそばのソファでスマホを操作していた麗さまにも晒されるに至った。
横並びに座り、写真を見ながら言いたいことを言う彼ら。
ある意味不安は打ち消されたんだけど…
テーブル脇、流星さまの足元に座り込み、その様子を見上げていたわたしは、違う意味でモヤモヤしてしまっていた。
仮にも三年間一緒に過ごしてきた子達。悪く言われるのはやはりいい気はしない。
「お二人とも言い過ぎで」
「あー麗、わかる。俺も25過ぎたくらいからさ、女群れてるともー見分けつかねーんだわ」
「年取ったんだよな」
「……」
…抗議の声は届いていない。
流星さまはアルバムを手に取り、事務的にページをめくる。
「つーかさ… …おい、麗コレ見ろ!」
もう飽きたのか、関心をスマホに戻していた麗さまの腕に肘を当て、突然流星さまが呼び掛けた。
「すげー可愛い女がいる!」