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BeLoved.
第13章 【玄関閉めたら二人の世界】
「…り、流星さま?…ぁ…」
呼び掛けへの返事はうなじへの口づけだった。それは段々啄むようなものに変わっていき、肌を転々と移動していく。
「あ…ゃっ…」
くすぐったくて。背中もゾクゾクとしてきて。思わず身をよじり抵抗してしまう。
そんなわたしをまるで諌めるかのように、舐め上げられた首筋。時折感じる小さな痛み。…痕を付けられているんだろう。
「ん、んっ、あっ…」
温かい舌は、首筋から徐々に耳の裏、そして耳の筋へと水音をたてながら這っていく。
「未結、…よ」
「え…?」
「しよ」
耳元での、低く、短く、甘い囁き。
一瞬理解が追い付かなかった。
彼の言葉の意味は分かっている。
だけどここは……玄関。
「…っこ、ここでっ?!」
「うん」
「!やっ…りゅ…、まって…ま…っ!」
抵抗の声も耳たぶを甘噛みされ、掻き消されてしまった。
…こんな所で?…うそでしょ…?!
混乱している間にも、彼の唇や舌はわたしの耳を舐り続けた。ぴちゃぴちゃと、卑猥な水の音が鼓膜に直接響き体は震える。
「やぁん…っ!だめ……っ」
「それ、誘ってるようにしか聞こえねーんだけど」
「ちが…!…今日は…っ」
ちがう。
伝えなければならないのは、もっともっと大事なこと。それは今日が…、そう…!
「…麗さまの日です!」
『女』としてのわたしを独占できる、その日のご主人様。それは一日にひとり。そしてそれは今日は、ここにはいない、『彼』だ。
それを訴えたわたしに返されたのは…常に我が道を行く、実に流星さまらしい言葉だった。
「関係ねーな。俺が全てだ」