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BeLoved.
第15章 【30cmの壁】
「……流星、さま?」
二人きりになった部屋。
改めて声をかけてみる。
「……あー痛ってー。マジで星見えたわ」
ごろりと寝返りをうち、流星さまがこちらを向いた。
……怒ってるよね、きっと。
「あの……」
「消すよ?」
リモコンが操作され、テレビの電源が落とされた。…そうだまだ点いてたんだ。すっかり忘れてた。
結局最後まで見れないまま、番組はいつのまにか終わっていた。でももう今となってはどうでも良い。
「すみませんでした…」
「あー、全然いーよ?」
俺も悪いし、と体を起こし胡座をかいた彼は、拍子抜けするくらいすっかり普段の調子に戻っていた。
顎も少し赤くなっているけど、見た感じ他に違和はない様子。よかった…。
そう安堵したのも束の間だった。
「責任取ってくれれば」
肩を抱かれ、どさりと押し倒された体。
有無を言わさず外される寝間着のボタン。
「……あ…っ」
首筋を這う、生暖かい舌の感触。
身はよじれ、小さく声も漏れた。
取り忘れた洗濯物を回収できるのも
わたしが眠りに就く事ができるのも
全部きっと、明日になってからだ…
「…な。俺生きてんだもんな。痛てーよな」
「…? ん…っ」
ぼんやり考えていたわたしの耳に、流星さまの…謎の独り言が聞こえた。
苦笑混じりで、軽くて。でも…何かを確信したような、はっきりとした口調だった。
何ですか?聞き返そうとしたわたしの声は、甘いキスと…彼の言葉で封じられた。
「…ありがとな、未結」