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LaundryHeavenly.
第4章 Heavenly.4
『あの夜』私が身に付けていた粗末な寝巻きは、血や粉塵での傷みがひどく、意識を失っている間に処分されていた。
替えの服など持たない私のために、新しい寝巻きを始め女物の衣服が数着与えられた。
それらを調達してきてくれたのは、ハイジさんだった。
どれも綿の肌触りが心地よい、簡素だけれど上質なもの。
私には勿体ないものばかりだ。
今日は旦那様達のお墓に案内して頂くかどで、黒色のワンピースを選び着込んでいた。──もちろん、喪服として。
「ほんと色白だね。黒が映える」
それが今は彼の手により
脱がされようとしている。
前留めのボタンを手早く外していきながら、ハイジさんは問いた。
「外仕事はさせられなかったの?」
「…いいえ…、私は…」
水汲み、草むしり、家畜の世話。もちろん
外仕事も仰せつかっていた。
ただ、体質なのかあまり日焼けをしなかったのだ。
どんなに陽にあたっても、赤くなるだけでおしまいだ。
私の言葉にハイジさんは「ふーん」と興味なさげに呟き、前留めを全て外したワンピースを躊躇なくはだけさせた。
中に着ているシミーズが露わになる。
「レノちゃん、触るよ」
彼の手の甲が私の頬に触れた。
ほのかにあたたかく、硬い手。
男性に触れられるのは初めてじゃない。
素肌に触れられるのも。
ただ、状況が状況だ。
これから何をされるのか。
否が応でも全身に力がこもった。