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LaundryHeavenly.
第1章 Heavenly.1
目が覚めたら、この光景。
辺りはもう、瓦礫しかない。
宙を漂う粉塵。お屋敷は跡形もなくなっていた。
旦那様はどうされたんだろう?
奥様は?…お嬢様は?
旦那様も奥様も、穏やかで優しい方だった。
お嬢様はまだ、6歳になられたばかりだった。
でもきっと…もう……いえ、わからない。
ただ確かなのは、両親の死という現実。
『いつもどおり』の朝はもう、
永遠に迎えられなくなったということだった。
私の絶望になど構うことなく、朝陽は昇る。
もう夜明けの頃合いだったんだ。
明るくなるにつれ、目の前の光景が、
より鮮明に写し出されてしまう。
私は手を伸ばし、両親の瞳をそっと閉じた。
その体にはまだ、温もりが残っていた。
ふいに、頭から水が垂れてきた。
触れてみた掌は赤。…血だ。怪我をしていた。
でも今はそんなこと、全く気にならない。
「父さん…母さん…」
ただ座り込むことしかできない私の背後で
男の人の……怒号が響いた。