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第1章 Heavenly.1

遅くにできた子ということもあってか、
ご両親からそれはそれは愛されておいででした。

お生まれになった時は、私もとても嬉しかった。
…身の程知らずは重々承知ですが、
可愛くて可愛くて堪りませんでした。

お嬢様も私になついてくださいました。

『レノ！あそぼう！』

そう言って飛び付いてきたあの温もり。
私を見上げた時の、天使のような笑顔。

忘れることなどできません。
お嬢様は私の宝物でした。

おだやかなこの国で、家族と共に、
優しい旦那様たちにお仕えして。

お嬢様が成長され、…いつか、
愛すべきお相手と結ばれるその日を
見届けたい。

それが、私が生まれて初めて抱いた
たったひとつの願いでした。