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猫彼女。
第6章 cat.6
返事をする前に、彼女から重ねられた唇。
甘い唾液をまとった舌が、自ら口内に入り込む。
「あっくん……大好き」
ああそうか。わかった。そういうことか。
またえりさの言葉が救い出してくれた。
俺はまた彼女を抱いて最奥で果てて
幸せに浸りながら眠りに落ちるんだ。
そしてまた目覚めた時も
そこに居るのはきっと
猫の姿をしたえりさ。
『ずっとえりさといたい』
『彼女が喜ぶことをしたい』
その願いは叶ったんだ。
心配も不安も何もない。
俺はえりさだけを求めて
えりさは俺だけを求める
これ以上の幸せがどこにある?
──そうだ。これでいいんだ。
「…ずっと一緒だよ、えりさ」
「にゃあ」
何度同じ時を繰り返そうとも
俺の腕の中にいるのはえりさ。
俺だけを愛してくれる、猫彼女。
【完】