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ひととせの自由
第2章 すこやかパンダクリニック
出迎えてくれたのは、真っ黒な髪に浅黒い肌をした長身の男性。筋肉質な体に、…外国人?ハーフ?彫りの深い整った顔立ちの…いわゆる『イケメン』さんだった。
なんかどっかのアイドルグループの端っこにいそう…
しかし私の中で『ときめき』よりも『ビビり』が先行したのは、彼の着る半袖シャツから露出した首や左腕に、タトゥーが刻まれていたから。
シールやオシャレじゃない、あの、、、外国のギャ○グさんが入れてらっしゃるような、ガチのやつ。
「おつかれー、田中くん」
軽やかな河村さんへ男性がぺこりと一礼する。
た、『田中』くん??この人田中っていうの??
見た目とのギャップに面喰らう私を尻目に、旧知の仲らしい二人は会話を続ける。人懐っこい笑顔の河村さんとは正反対に、田中…くん?は、無表情だ。なんかちょっとこわい…(今更か…)
「この間はありがとね、助かっちゃったよ」
「…ありがとうございます」
「で、この子が電話で話した看護師さん」
「ぅ、あ、なっ、中村ひととせですっ、よろし…」
河村さんが脇に半歩ずれたことで、ほぼ真正面で田中くん?と向かい合ったけれど。思っくそ睨まれてしまったせいで後半は口ごもってしまった。
この人目付き鋭すぎ…威圧感半端ない。怖すぎだよ…
「ひととせちゃん、この子、田中トゥエルヴくん。ここの医療事務員さんだよ」
……え~……
こんなガラの悪い(あ言っちゃった)事務員さん、アリなんですか?鉢合わせちゃった患者さん、怯えちゃいませんか?現に私、こんなに緊張してますよ?(まだ睨んでるし)