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ひととせの自由
第2章 すこやかパンダクリニック
こっちおいで、と河村さんに手招きされ。嫌々ながら(だってどんな顔すればいいか分からないし)入口に歩み寄る。私に拒否権なんかないもんね…ハハ…。
かくして『処置室』は、造り自体はよくあるものだった。カーテンレールで仕切られ、横並びになった簡易ベッドが2床。壁際には、錆が目立つでっかい薬品棚。整頓された処置具その他もろもろ。…ただ、ひとつだけ決定的にありえないのは……
「あんっ…せんせ…っ、いぃっ……!」
奥に置かれたドクターデスク(これまた引き出しの中にタ○ムマシンがありそうな年季入ったもの…)に手を付き、こちらにお尻を向けて立つ女性。…と、その背後に立つ、白衣を着込んだ背中。ガタガタと机を揺らしながら、忙しなく突き動いている…
「光太郎くんごめんねぇ、ちょ待ってて」
「せんせーほんと立ちバック好きだよね」
…これ、セックス真っ最中を見た方と見られた方が交わす会話ですか?お互い平静すぎじゃないですか??
『せんせー』なんか振り返りもしないし。
どっから取り出したのか、いつの間にか丸椅子に腰掛けていた河村さんはスマホいじり出しちゃうし、廊下には、私の逃げ道を遮るように仁王立ちしてる田中くんがいる。…どうすりゃいいのよ…
「あっ…も…いくぅ…っ!…せんせ…っ…!」
そうこうしてるうち……どうやら終わられたようです。