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ひととせの自由
第4章 のべつまくなし

「あー、やっと来たの?」

気だるそうな声とともに、診察室に繋がる方のドアが開いて。四季先生が眠い目擦りながら顔を覗かせた。こちらもこちらでまた可愛い仕種しちゃってまぁ…。こんな状況でなければまさに眼福!なんだけどなぁ。
でも、こんな状況でなければお目にかかれなかったんだから、全く皮肉なもんである。

「せーぎ兄ぃ~、ひさしぶりー」
「はーい。お疲れさまね、なお」

なおくんは先生の方にとてとてと駆け寄った(えっ可愛い)。
『先生』『なおくん』じゃなくて『せーぎ兄ぃ』『なお』て呼びあってんだ。仲良いんだなぁ…

「聞いてよ!昨日みち兄ぃから電話来たの。何かと思ったら説教よ?!"いつまでもチャラチャラしてんな" だって!」
「それはご苦労さま。はいココ寝て」
「冗談じゃないわよ。これでも真面目にやってんのよ?アタシ」

…ん?

「ほーんと、みち兄ぃにもせーぎ兄ぃの放任主義を見習って欲しーわよ。あの人、年々親父に似てきてウザいんだけど」
「長男てそんなもんなんじゃない?」

…んん??なに、この会話。
ていうか、今この場に、私以外に女子いたっけ?


「あ、ひととせちゃんにはなんのこっちゃじゃんね」

絶妙なタイミングで解説の河村さんキタ━(゚∀゚)━!

『オーナーだから』何もかも知りうるこの方は、かくしてこの場にいる……『女子』の正体を明かしてくれた。


「なおくんねー、四季先生の実弟なんだよ」
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