この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ひととせの自由
第4章 のべつまくなし

「ガーゼちょうだい」
「はい」
「ありがとう。…なおー。終わったよ」

そんなこんなで、無事にメンテナンスは完了。
とは言っても切った貼ったの類はなく、四季先生自らが用意していた注射を、なおくんの右こめかみ辺りに打っただけだった(中身がなんなのかは不明。多分聞いてもはぐらかされるんだろうなぁ…くわばらくわばら)。

「ついでに疲労回復点滴もしとくよ。ひととせちゃん、頼むね」
「はい、先生」
「えぇ~?せーぎ兄ぃがしてくれんじゃないのぉ?」
「大丈夫、ひととせちゃんの方が上手だから」

心底不服そうななおくんをあしらい、お大事にねー、と軽ーく言い残して。四季先生は診察室へと戻って行ってしまった(さりげなく褒められた…!ヒャッホウ♡)。

しかし実弟だというのに、また随分あっさりしたもんだなぁ…。男兄弟なんてそんなもんなんかな?

あ"ッ、まさかこれからまたどっかのお姉さんとランデヴーとシャレ込みませんよね?…等々下衆の勘繰りしつつも。
残された私はただ職務を全うするだけなのである。さて、点滴の準……ん?点滴?

ってことは…な お く ん に 触 れ る ! !


「アンタほんと上手いの?トチんないでよ?60点」

憎まれ口もなんのその。脳内ドーパミン大放出中の私には全く効きませんぜ、ヘヘッ。それでは──いざ!

「しッ、失礼しまッす」
「左にして。アタシ右利きだから」
「は、はい!かしこまりやした!」


さて──初めて触れた『推し』の素肌は。

それはそれはもう、シルクみたいに滑らかで、瑞々しくて。
そしてその感触は、柔らかいのに固く締まって。中身は女子(しかも毒舌系)でも身体は鍛えられた男性のそれで。

たまらん。鼻血出そう。冗談抜きで萌え死にしそう。
いろいろあったけど生きててよかった。

しかも血管も超わかりやすいタイプ(『推し』は血管までスタイリッシュだった…尊い)。こんな雑念だらけの心中でも、普段通り、いや、普段よりスムーズに準備完了できたのだった。


「30分くらいで終わります。途中気分が悪いとかあれば、遠慮なく教えてくださいね」
「ん、りょーかい。…せーぎ兄ぃの言ったとーりだったわ」
「え?」
「アンタ、上手。全然痛くなかった。ありがと」


『ありがと』──『推し』が私を見て言った。



なんなんだ今日は。真面目に私、死ぬのか?
/61ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ