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ひととせの自由
第1章 私がバカでした。
「じゃ、○○県××郡□丁目△番◎号で慎ましやかに暮らしてる、君のおばーちゃんち、行こうか?“お孫さんの借金、返してください“って」
「!!!」
血の気が引いた。
放蕩両親の代わりに、私を育ててくれたばーちゃん。
私を看護学校に行かせてくれて、看護師になれた時は涙流して喜んでくれたばーちゃん。
そこに取り立てに行くと?しかもこの人、本気だ。住所が番地まで全部あってた。
なんで?なんで知ってんの?彼氏にも話してないよ?
私が借りたところは保証人不要だったし…なんで?
「そ…それだけは勘弁してください…」
「うん、でも、借りたものは返さないとね」
たたた確かにそうですが。
じーちゃんに先立たれ、一人年金暮らしを送る年寄りのところに行くのだけはやめてくださいこの通りです…!
色あせたカサカサの畳に頭を擦りつけ懇願した。
その上から降ってきたお約束すぎる一言。
「じゃー中村さん、“女“ 売る?」