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ひととせの自由
第1章 私がバカでした。

やっぱりそれですよね。

金返せなくなった女の末路なんて、それ一択ですよね。


ああ、本当に私、なんてバカだったんだろう。


憧れの看護師になれて、都内の病院への就職も決まり田舎から脱出できて順風満帆、何もかもバラ色だったはずなのに。

現実はただただ残酷で。仕事は薄給の超ブラック、人間関係もギスギス。患者さんからの『ありがとう』だけが唯一の救いで。
私生活も余裕がなく、楽しみらしい楽しみがない。そんな毎日の繰り返し。


淋しかった。虚しかった。

だから街で声かけられた(ただのキャッチだったんだよね…今思えば)あいつに溺れちゃって。
乞われるままお金貢ぎまくった挙句、借金おっかぶされて逃げられるなんてね…今どきマンガでもないでしょ、こんな話。

ばーちゃん。こんな孫でごめんね…

これから私、『お風呂屋さん』で働かされて、骨の髄までしゃぶり尽くされるんだろうけど、毎月の仕送りだけはそれでも何とかするからね…。


しかしそこで、スーツ男性様は思いもよらぬことを言ってきたのだった。


「それとも、“看護師“ 続ける?」
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