この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ひととせの自由
第5章 Ghost White
「で、前話したけどミヨに薬流したのはそっちの子だしさ」
ちら、と河村さんが一瞥したのは、こちらがこんな修羅場になっとるなんて知る由もなく、ベッドで安らかに眠り続けるお姉さん。
・・・なんとこの方、さっき河村さんが言った、蓮哉が逃げ込んだ先のおねーさん なのだそうだ…。
蓮哉と組んで、その…いわゆる『御法度』を犯した片割れ。この先この方がどんな末路を辿るのかは、考えたくもない。
「ヒフミちゃん、上位入り常連だったのにね。でも大変だね、奥さんのお店、従業員間で薬物汚染広がっちゃってるわけだ」
「だーかーらーさ。しかも元凶だからね。今回はミヨの時みたく、大富豪サマに売り飛ばす~なんて生易しいコト、してらんないんだよ」
「達磨さんにしちゃうとか?」
「あーいいねー。アレ意外と好きな人多いから…」
あ〰〰も〰〰ほら!言ってることが怖い!!
つまり『みせしめ』色が強いんですよね?!
まさかその処置、ココでやってね☆なんて言いませんよね?!
そして転がったままの蓮哉はどーなる…の?!
「そこでね、ひととせちゃん」
「ヒッ」
キタ──(゚∀゚)──!…なんて呑気なこと、もう言えない。
怒りのオーナー、河村さんは…まっすぐ私を見ておられる。
あああ…ほら、もう目が違うのよ。激おこがモロわかり。
「この坊やのこと、まだ好き?」
「はゐ?」
斜め上左方向からの質問。『好き?』…スキ??
何言われたかわかんなくて、ポカーンと間抜け面晒す私に、河村さんは続けた。
「一応きみの彼氏だった訳でしょ?そりゃ確認しとかないと」
「え…」
今後のために。と、やっとそこで笑顔を見せてくれたけど……その笑顔が怖すぎるしそもそも『今後』ってなんですかどういう意味ですか怖すぎです。
・・・え〰〰・・・と。
ココで私が『はい』と答えた場合のシミュレーション。
→「あっそう。じゃ、ひととせちゃんに免じて、このくらいで許してあげるよ。よし坊や、タコ部屋行こっか★」
ココで私が『いいえ』と答えた場合のシミュレーション。
→「あっそう。じゃ、ひととせちゃんも見捨てたし、坊やには生まれたこと後悔コースをご馳走するね★」
・・・どっちも救いがないな・・・
「大丈夫だよ?最終的にはウチと仲良しの建設屋さんにお願いして、綺麗さっぱり埋めてもらえるから☆」
ほら、ね・・・ハハ・・