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ひととせの自由
第1章 私がバカでした。
「!!」
聞き違い?頭を跳ね上げ、スーツ様を見上げた。
「うちでやってる診療所のドクターが、看護師欲しがってんの。そこで働く?一応寮もあるよ」
「!!!」
ななななんですと??!仕事と住む場所、いっぺんにありつけるってこと??何その好条件。
頭と声帯が働かず、ただポカーンとする私を見下ろしながら、スーツ様が初めて笑顔を見せてくれた。
…あれ、さっきまでの威圧感はどこ?何この神様みたいな優しい微笑み。
借金取りは借金取りだけど、この人もしかして、私の救いの神だったのかも…?
「どうする?」
「っあ、は、はい!!わ私、やります!!!」
どうせ、逃げられない。
それに私だって、看護師の端くれ。
出来るならまだ医療に携わりたい。
スーツ様…いや、神様は、最後ににこりと笑ってくれたあと、残り2名のスーツ男性たちに「車回して」と指示した。──私を『診療所』に連れて行くために。
ちなみに今…22時。時間なんて関係ないんですね…ハイ。