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ひととせの自由
第5章 Ghost White

…というか。そもそも、なんで先生にこんなこと言われなきゃならんのだ?なんでこんなおっかない顔されなきゃならんのだ?(ちょっとときめいてるけど…)

そうこうしてたら今度は パン、パンと乾いた音が響いた。河村さんが両手を打って鳴らしたのだ。

「はーいはい。先生、笑顔笑顔。イケメンは無表情がいっちばん怖いんだからさぁ。やめてよ。俺のトラウマ甦らせんの」
「ごめんごめん、光太郎くん」

河村さんの言葉(ある意味オーナー命令か?)で、先生は瞬時にいつもの四季先生に戻った。
アレッ?私の新発見は世界の常識だったのか…。そしてこの方のトラウマって、なに。そんなもんあるの?この方に。


「まぁどっちみちこの坊やたちにはいく所までいってもらうんだけどさ。ひととせちゃんの想いも汲みたくてねー」

君いつも頑張ってるから。と。にっこり笑ってくれた河村さんも…いつもの河村さんだった。
この人も全く、優しいんだか怖いんだか、訳わかんない。ていうか蓮哉の未来、もう決まってたんかい。それなら今までの時間、全く無意味やないの…。

とか思っていたら、河村さんはひょいっとそっぽを向いた。
視線の先には・・・田中くん。


「さて、こいつどうしようかな?田中くん」


何でそれを田中くんに問いたのか。
そしてそれを知ることは、田中くんは如何にして四季先生のお犬様になったのか。それを知ることでもあった。

──ということを私が知るのは…いつの間にか現れた黒スーツ様方によってシーツに包まれて担がれたおねーさん(私のナース服…もういいや…)と、蓮哉と……静かな殺気を纏った田中くんが、すこやかパンダクリニックを後にしてからである。


「あの坊や、田中くんの妹輪姦した奴らの一人なんだよ」
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