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熊猫彼氏。
第4章 熊猫彼氏。

「…◯▲×□$!」
「◎★※&@!」

聞いたことない言葉が行き交う。
俺らとは明らかに違う肌の色の人達が沢山。
みんな俺を見て指差して楽しそうに笑ってる。

中腰にしかなれない高さ。四方八方を塞ぐ鉄の棒。ぶっちゃけて言えば、ケージ。
そこが今の俺…『パンダ男』のお城だ。

人前で着ぐるみを脱ぐことは許されない。
俺の仕事は、床に引かれたボロ布に寝そべったり、たまに起き上がったりもの食ったり。パンダ男としての暮らしを見てもらう『見せ物』だから。

こんな着ぐるみだってことすら見破られない未開の地。一体今俺はどこにいるんだろう…

………。

樹里ちゃん、どうしてるかな…

何があっても守んなきゃって思ってたのに。
俺、情っさけなー…

ああ。ちょっと前まではさ。
俺のキャンパスライフ、バラ色!
俺の人生、順風満帆!

そう思ってたし、そうなるはずだったんだよ。

ほんと。あの人にさえ、出会わなければね…。


【熊猫彼氏。/完】→32頁へ
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