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熊猫彼氏。
第4章 熊猫彼氏。
「中止?」
「う、うん…」

村上さんからの電話は意外な内容だった。

お誕生日会の主役であるお子様が、今朝になって熱を出してしまったそうで。仕事という名の『償い』はキャンセルになったんだ。

ホッとしたの半分、残念なの半分。
せっかくの誕生会に参加できない子供が気の毒だと思ったし、俺も子供好きなのは本当。遊びたかったな…。その上更に意外だったのは。

「カラオケはしていいんだ?」

そう。パンダ男としての勤めはなくなったし、お誕生会用の部屋は既に別の人間に宛がわれたけど『控え室用の部屋』は二人で使っていいよとお達しがあった。

それを樹里ちゃんに話したらめちゃくちゃ喜んでくれて。一緒にいられる時間が増えて嬉しいって、素直に喜んでくれた。かわいい…。

ちなみにパンダの着ぐるみは後日回収されることになった。これ幸いとばかりに優しく優しく(特に股間周辺を丁寧に)ぬるま湯で洗い(さすがに洗濯機で丸洗いは怖くてやめた)これでもかってくらいファ◯リーズぶっかけて日陰に干しといた。これで隠滅は完璧…なはず!

パンダ男から元の俺、本田ヶ谷光太郎に戻って。樹里ちゃんと手を繋ぎ店へと向かった。

彼女の胸元には、早速つけてくれてるパンダのネックレス。すごくよく似合ってる。かわいい。

「…大好きだよ」
「私もだよ、光太郎くん!」

俺はこの手のぬくもりも柔らかさも、忘れない。

────

「5号室だって♪」

フロントで受付を済ませ、受け取ったマイク入りの籠を嬉しそうに胸に抱えて。
ドリンクバーで作ったカルピスソーダとオレンジジュース混ぜたオリジナルドリンク(彼女は最初にいつもこれを飲む)のグラスをもう片手に持って。樹里ちゃんは軽やかな足取りで歩いていく。

俺は適当に入れたウーロン茶片手についていき、辿り着いた部屋のテーブルに置いた。

さあ、樹里ちゃんのオンステージの始まり。

俺に断りをいれながら好きな曲目をいれていき、のびのび歌ってくれる樹里ちゃんを俺はただだ幸せな気持ちで眺めたのだった。
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