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メンズミーティング
第24章 暴君14歳とその兄
「…、ま…」
……なんか遠くから声がする。
ほわっとして可愛くて、ずっと聞いてられる…
「麗さま!」
「?!」
……え?なに。今の。夢?
視界に広がるのは車内じゃなく、最近の塒であるマンションのリビング。
そして目の前にいるのは兄貴じゃなく、かわいくてかわいくて仕方ない、大事な子。
天井の電灯を遮るように、こちらを覗き込んでる。不安そうな表情。かわいい…。
あ…思い出した。
一緒に風呂入ったあと、この子のドライヤーが終わるのをソファで携帯構いながら待ってたんだ。
寝転んだのが災いしたな、いつのまにか寝てたらしい。
「ごめんなさい、お待たせして…。あ、新しくしたシャンプー、なかなか乾かな…ぁっ」
その体勢のまま、抱き寄せてみる。
花みたいな香りがふわりと香る。
華奢な身体がほのかに熱い。…やばい。これだけで半勃ち。
このまま喰べちゃおうかな…
「…あ、何かきましたよ」
脇に置いていた携帯が短く音を立てる。
どうでもよかったけど、彼女にとってはそうじゃない。
急ぎの用事かと不安がってる。ん、その顔かわいい…。
大丈夫だよ。ただのL1NEだから。
差出人が兄貴だったのには、タイムリーすぎて少しビビったけどね。
『うちの子達がお前に会いたいって。時間作って』
『俺も久々に嫁さんとデートしたいし。ヨロシク』
画像つきのメッセージ。
見れば、こちらに向かって変顔をかます幼児二人の写真。
そう。
誰よりも強くて優しくて賢くて、誰よりも冷酷な『唯くん』は。今や二児の父親。
五歳年上の嫁さんには兄貴が惚れ込み、口説いて口説いて口説きまくって、ようやく落としたらしい。
お義姉さんといるときの兄貴、別人。
あの冷たい目が嘘みたいにデレてる。
自分見てるみたいでちょっと複雑だけど。