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メンズミーティング
第5章 王子 マキアート
『さみしいね、かわいそう』
いつぞや出会ったヘンなガキ。
この俺に同情して見せたガキ。
思い起こすと今でもイラつく。
口は災いの元と習わなかったか?
最期の最期で俺の役に立てたことを
有難く噛み締めながら地獄に堕ちろ。
──────
「…つまんねぇ」
ブーツにこびりついた汚ねぇ血を
躯となったジジイの服で拭い取る。
「……」
殺ったあとは無性に犯りたくなる。
いつからかそんな衝動が加わった。
だが生憎と死体とヤる趣味はない。
他に人間は居ないか。願わくば女。
俺は手当たり次第にドアを開いた。
そして、出会ってしまったのだ。
「…なんだてめぇは」
開かれたドアの先にいた一人の小さな女。
俺が永遠に"恋い焦がれる"ことになる女。
「私は──…レノ、です」