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メンズミーティング
第6章 暴君が俺様を信じるわけ
あのね、未結。
うちの母親は俺が10歳の時に死んだの。
あれは葬儀やなんやが終わって、やっと家に帰ってきた日の夜だった。
部屋にいたら、見送ったはずの母親が窓の外に立ってたのが見えたの。生前の姿のままでハッキリと。3階の、足場のない所に。
不思議と怖くなかった。
頭では『ありえない』って分かってた。
ただ何でか知らないけど、あぁ行かなきゃ、って気持ちになって。そっちに向かって歩き出そうとしたんだよ。その時だった。
流星に腕掴まれて言われたの。『麗くん行っちゃ駄目だよ。あれやばい。連れてくつもりだ』って。
母親、物凄い形相で流星のこと睨みつけたあと消えた。その顔がとにかく怖かった。震えた。
この年になった今でもあれを越える恐怖なんか無いからね。一生忘れないよ。