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メンズミーティング
第8章 閉じ込められた。
「あ…、おひゃえりなひゃぃ…」
今の今まで眠っていた寝ぼけ眼に、口の端からよだれを一筋垂らした間抜けな顔。それをふにゃっと綻ばせ。可愛くて仕方ねーこいつは、俺を迎え入れてくれた。
「ぉひゅかれさま、れしらぁ…」
「…うん」
熟睡してるところを叩き起こされたにも関わらず、怒るどころか、間抜けな笑顔のまんま労ってくれる。すげーわ。疲れも何もかも、一気に吹っ飛んだよ。
……まぁ、もう、俺のもんじゃねーけど。
案の定、背中にはさっきの幽霊女が放っていた以上の殺気が突き刺さった。
「…流星テメー何やってんだよ。時間だろ」
「…顔見るぐれーいーだろ。許せよヘタ麗」
小バカにしつつその場から去るため踵を返す。
可愛いくて仕方ねー女はもう、こいつのもん。
『愛サレタイ…』
ドア閉める間際、消したはずの幽霊女の声がした。
『貴方モ、ソウデショウ…?』
……あー、そーか。わかった。
あの幽霊女、俺に共鳴して憑いてきたんだわ。
『愛されたい』『自分だけ見て』──それは
俺が自分の中に閉じ込めてる感情、そのものだから。