この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
メンズミーティング
第9章 ひとのふりみて。2

その日は久々に落ちていた。

上手くいっていた……いや。
いくはずだった商談が破談になったから。

『なんか気に入らないんだよね~。村上くん』

先方(俺より若いやつ)曰くそれが理由。
なんかってなんだよ。意味わかんねぇ。

しかしこの世界。結局最後に決め手になるのは
『好きか嫌いか』だ。実際俺もそうしてきた。

だから媚を売るのも大事な仕事。
持ち上げ利益ちらつかせ取り入って
中から喰い散らかしていくのがお約束。

『腹になんか黒いもん持ってるし』

見透かされ、先制されたのなんていつぶりだ?
いや、マジで久々。

解せない。何が不足だった?仕立ては完璧だった。…分かってんのは、ただただ損失はでかいってこと。

更に追い討ちになったのは、先方に手回しされ万が一と思って掛けていた保険分までもが、ことごとく潰れていたこと。
正真正銘の八方塞がり。ああ、どうするかな…


「…ただい」
「すごーい!!お店みたいですね!」
「すっげー!!マジで作れんだな!」

鬱屈したまま帰宅し、玄関開けた直後。
飛び込んできたのは賑やかな男女の声。

鈴転がした様な可愛い可愛いあの子の声と
やたらデカくて耳障りなボンクラのダミ声。

そしてなにやら香ばしい匂い。
胃袋が騒ぐまま誘われるまま
匂いの出所である台所へと向かった。

「あ…おかえりなさい!!」

弾けるような極上の笑顔で迎え入れてくれたのは、もちろん俺の大事な子(エプロン姿かわいい)

「オイ見ろよすげーぞこれ!!」

と、見飽きた通り越してもう見たくもねぇ野郎。謎なハイテンションのこいつが指差した先には…

「…たいやき?」

そう。ほかほかと湯気をたてる
二匹のたい焼きが皿の上にはあった。
/101ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ