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メンズミーティング
第10章 彼女から見た彼女。

「紫……っ」

笑顔でとてとてと駆け寄ってくる女の子。
彼女の名前は未結。高校の時からの親友。

全体的に小づくりで、色白でマシュマロみたくやわらかそうで。年はあたしと同じ二十歳なんだけど…正直そうは見えない可愛らしい外見。

この見てくれからは想像つかないほど、未結は強い。
この春先に唯一の肉親であるおばあさんを亡くし、その上仕事も住むところもいっぺんに無くしたのに。挫けることなく、きちんと自分の力で歩き続けている。あたしはそんな彼女を尊敬しているし、大好きだ。


…でも未結、変わったなあ…。

『可愛い』のは相変わらずだけど、それだけじゃなくて、何ていうか…

「紫、お皿とるね」
「ああ、ありが…」

居酒屋で。向かい合い座った未結がテーブルの端に置かれた皿を取ろうと手を伸ばす。
そんななにげない仕種にすら見入っていたあたしが、我に帰ったその時だ。彼女の胸元からチラリと中が覗いた。

もう、無防備すぎ!そゆとこ変わらないなぁ。苦笑したのも束の間。危うく飲んでたビールのジョッキを落とすところだった。

そこから見えたものはキスマークだったんだ。それもひとつふたつじゃない。

未結の真っ白な肌に、これでもかってくらいあからさまに。所有を主張するその痕は刻み込まれていた。
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