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メンズミーティング
第12章 hey my friend. 3. 2:05am
「───もういいかな。重いんだけど」
あたしの部屋のドア前に辿り着いた直後。
『その男』は横抱きにしていたあたしを床に下ろした。
ていうか、空中でぱっと手を離した。
とっさに足を下ろさなかったらそのまま落下して、コンクリートの地面にモロに叩き付けられる所だった。
何こいつ。怪我したらどーすんの?
体勢を立て直し見上げる。その男…未結の彼氏は、静かな声で言った。
「君、酔ってないでしょ」
なーんだ、バレてたんだ。
あたしのカンペキな演技を見破るなんて。
いいのは見てくれだけじゃないようね。
「いつから気づいてました?」
「最初から」
「何で言わなかったんですかー?もしかして、送り狼狙ってた?」
「無駄話してる暇ないから。それじゃ」
来た道をさっさと戻っていく彼氏。
名前なんだっけ?らい?るい?何でもいいや。
そうそう。未結を車に残しっぱなしだもんね。早く行かなきゃ。
予定じゃ部屋まで誘い込むはずだったんだけど。仕方ない。じゃ単刀直入に言っちゃおう。
「彼氏さん」
あたしの声に、その男は足を止めた。
そして心底わずらわしそうに振り向く。
表情には出てないけど、醸し出すオーラでわかる。やなやつ。
「あたしが未結のこと好きっていったらどーします?」
「ありがとう。これからも仲良くしてね」
彼氏は明らかな作り笑いをむけ、再びこちらに背を向け歩き始めた。
5メートルくらい離れたその背中めがけて、言葉を投げつける。
「好きって、"そーゆー意味"ですよ?」