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メンズミーティング
第13章 そのときのはなし
────来ねぇ。来ねーなぁ。どーした?
その晩、俺は普段なら存在すら忘れている携帯を片手に、画面を睨み続けていた。
理由?ネット通販した商品が届かねーから。
俺日時指定したよな?『今日の18時』って。
もう一時間は過ぎてる。なんの音沙汰もねーとか、ナメてんのか?おかしいだろ。
もちろん方々には問い合わせた。しかし返答は揃って『処理は完了しています』の一点張り。何なんだよ一体。
すると一通のメールが届いた。何らかの通知かと思い即開封したら、差出人は秘書。
『本日の件ですが──』で始まる長文。ああ、そっちな。それな。つーかそっちの方考えなきゃな。
今日の話。新入社員の女がやらかしてくれた情報漏洩。社内資料がそいつ個人のSNSで晒されるという、バカとしか言い様の無い事態。
とはいえ新人研修用だから、大きな被害は無いっちゃ無い。
──って思ってんだろーがな、んな訳ねーだろ。
きっちり印字された『社外秘』それを見落とす注意力のなさと軽率さ。そこなんだよ問題は。
あークソ。胃が痛てぇ。頭も痛てぇ。
女のアホさ加減と自分の不甲斐なさ。
そこに追い討ちかける商品の未到着。
一旦考えるのよそう。『後程お電話します』で締められたそのメールには返信せず、画面を閉じた。
「あの…流星さま?」